何故弓道の先生の言う事は難しいのか?弓と禅(オイゲン・ヘリゲル著)を読んで

明治神宮弓道場の画像です。 弓道

「あの先生言っていることが難しいんだよねー?」などと思ったり、弓道をする中で指導を受けていて悩むことは多いと思いますが、最近再度オイゲン・ヘリゲル著書「弓と禅」を読み直して何故指導を受ける際に稽古者の理解におけるアンマッチが起こるかを自分なりに解釈してみましたので、紹介します。

状況の一端を理解することで少しでも迷うことが減ればと思います。

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弓と禅(オイゲン・ヘリゲル著)

明治神宮弓道場の画像です。

本書はドイツの哲学者オイゲン・ヘリゲル氏が東北帝国大学(現:東北大学)に講師として招かれた際に同大学の師範だった阿波研造氏から弓道に関して学んだ際のやりとりや悩み、その過程を書き記したものです。

AppleのCEOだったスティーブ・ジョブズ氏も愛読していたと言われる本なので自己啓発として一度読んでみても良いと思います。(そんな訳で詳細にはあまり触れません)

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指導におけるミスマッチはどこで起こるか

1.師匠弟子スタイルと学校教育スタイルの指導方法の違い

本書でも触れられていますが、昔気質の職人とイメージされると分かりますが、「俺のやったのを見て学べ」という師匠弟子スタイルが日本では昔から根付いています。今の学校教育や現代社会での考え方は「AをするためにはBが必要、何故ならCだから」といった理由と手段が明確になっているスタイルです。

前者は自分で考え、感じることを主にしており、後者はマニュアル通りに実行します。そうなった場合に前者は突出した人材を輩出することもあれば、全く出来ない方を生んでしまう可能性があり、後者は平均的に出来る人を増やす可能性が高いです。守破離の考え方に基づけば「破」、「離」のレベルまでいけば突出した人材を輩出することも出来ますね。

2.指導者が考えずに出来ている場合

指導者自身が技術のある人の場合、「こんなの簡単だよ、〇〇だけすれば良いんだよ」といった指導を受ける場合がありますが、〇〇だけをしてもうまくいかないケースがあります。

その場合、実は〇〇の前に△△があり、その前に□□があるように前提があっての最後の事が〇〇になる場合があります。(少しわかりずらいですね笑)パターンをまとめると。

1.昔やっていたことが基礎にあり今意識していることだけを説明している。

2.最初から出来ていたので、その部分の理解を飛ばして説明している。

上記の2パターンの場合がおおまかにあり、1の場合は学習者側はヒアリングで掘り下げる必要があり、2の場合はその方の動作を見ながら自分で咀嚼していく必要があります。

「まっすぐ押せ!」、「まっすぐ伸びろ!」だけで全てが出来てしまう人もいますが「まっすぐって?」となる人がほとんどだと思います。

押すことでも弓の特性の理解と、どの部分を押すのかぐらいは最低限に抑えないといけませんが、そこを飛ばして説明される場合もあります。

アンマッチの解消方法:動作の言語化

前項で少し記載したように指導者側、学習者側の双方ともに動作の言語化をすることで理解度と再現性が向上します。

学習者側は指導者側がどういったスタンスで教えているかを理解する必要があり、指導者側は相手がどの理解レベルにあって適切な言葉を選んで伝える必要があります。

両者のコミュニケーションを良くして理解度を最大限にするというのが必要なことなので、お互いの努力が習熟度の早期上昇につながると思います。

まとめ

筆者自身は指導という言葉はあまり好きではありません。

ただ単に先輩方から学んだり聞いたことを自分の体で実験しながら伝えているだけなので、会話を相互にしているという風に考えています。

自分が成長するのに最適なコミュニケーションをご自身の師匠や先生、先輩と取りながら最速で上手になれると良いですね。

なお、読んだ方もいらっしゃると思いますが、長編の筆者のインドでの弓道記を書きましたのでご興味あればご覧頂ければ幸いです。

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ぐっちょん

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