道場で「骨で引けって言われたんですけどどうすれば良いですか?」という質問を受けたのですが、この質問はよくされる(つまりはこの説明をする人が多い)のですが、意外と自分なりに解釈せずに言われているからというだけで、そのまま説明している人もいると思います。
解釈は人それぞれですが、自分なりの解釈を説明したいと思いますので、少しでもみなさんの理解の足しになればと思います。
結論:筋肉の消耗が少ないポジションで引くことを骨で引くと言う
結論から言うと骨では引けません。骨を動かしてくれと言われても単体で動かすことが出来ないように筋肉を使って骨を動かしています。
つまり筋肉の消耗が少ない弓を引くことに適した姿勢をとることを「骨で引く」と称しているとわたしは考えています。
骨格に合わせた射形をする
「あの先生の高い打ち起こし、大三を真似したい」、「あの先生は前腕が回外してて弓手がぶれないから真似したい」などと思ったりすることはありませんか?わたしはかなりあります。
色々な説はありますが「学ぶ」という言葉は「まねぶ」という真似をする行為から発生したと言われるくらいなので、真似てから技術を模倣することは悪いことではありません。
ただし、見えているものと本人の動作では力のかけ方、働きが異なることがあります。
そのため、ただ真似るだけではなく中身を見る必要があります。
その際に自分の骨格に当てはめてみた時に、その形が効果を発揮するのかを確認しなければなりません。
可動域によっても出来ることは変わってきますし、猿腕などの形状も勿論関わってきます。
射法は同じに出来ても射形は同じに出来ない
骨格が全く同じということはありえないので、全く同じ形にすることは出来ません。
ただ、その射法(弓の引き方)は同じに出来ると考えられます。
もちろん厳密にいえば100%の再現は不可能です。
同じ学校や同じ先生に指導を受けていると傾向が似てくるのもこのことからだと推察されます。
無理のない位置を見つける
今までのことを踏まえるとTry & Error的に試してみるのは良いですが、無理はしない方が良いです。
骨格に合わない位置で継続し続けるとその部分だけでなく、その他の位置まで障害を起こしてしまいます。
そこで思い出して頂きたいことが「筋肉の消耗が少ないポジションで引くこと」です。
今までより強い弓で今までより長い時間会を保ってみると分かりますが、力が必要な所から負けてきます。
この状態を「骨で引けていない」と称するケースが多いと思います。
筋肉が圧倒的に足りない場合はトレーニングをする必要がありますが、背中側から上腕、前腕にかけて筋肉が連動して均等に力が入っている状態にあるかどうかが鍵になると考えられます。
どこかに力がかたよるとどこかが抜けてくるのが人間の体でもあると思います。
そのため弓を引くにあたっては体に無理の無いような骨のポジションを探すという作業が必要になります。
それが「骨で引く」の正体だとわたしは考えています。
効果的に力を発揮できるポジションで引くことが出来れば筋肉の消耗も少なく無駄なく洗練された動きも出来ると思います。
まとめ
楽な姿勢と見栄えの良い射が異なってるのでわたしも少し試行錯誤を繰り返しています。
弓道は老若男女問わず出来るものだと言われますが、形にばかりはめて本質を見失うと体の故障にもつながってしまうので、体への影響を考慮しながら射形を構築していきましょう。
形から外れすぎると形無しともなってしまうのでバランスは難しいですけどね。
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